ディスコード

DDおたくのひとりごと

僕が死んだら笑って忘れてくれよ。

昔、当時好きだったバンドのボーカルが突然この世からいなくなってしまったことがあった。病気だとか体調が悪いだとかいう話は聞いたことがなかったし、普通にライブをして普通に曲作りをしていたから意味がわからなかった。

死因は「病名不詳」としか発表されず、自殺では?という噂まで流れたけど結局現在まで「病名不詳」のままだ。突発性の何かだったのかな、と思うけどなんの前触れもなく突然もういないことを事実として叩きつけられてやっぱり意味がわからなかった。

私は彼の作る曲が大好きだった。奇妙で薄気味悪くてポップでかわいくて。彼の独特の唄声もたまらなく好きだった。CDもDVDもほとんど持っていたけど、何故だか1度もライブに行かなかった。行けるチャンスはいくらでもあったけど、そのたびに後回しにしていた。そうしたらとうとう2度と彼に会えなくなってしまった。なんでいかなかったんだろう、あのとき行くつもりだったのに、行けば良かった。今更後悔している自分が心底馬鹿だと思った。今でも思っている。

彼の誕生日や命日が来て彼のことを思い出すたびに後悔しているし、きっと一生後悔したままなんだと思う。彼がいなくなってもバンドは続いているし、行こうと思えばそのバンドのライブには行けるけど、ボーカルの立ち位置に彼がいないから意味がない。私は彼がボーカルだったそのバンドが好きだった。

もう後悔するのは嫌なので、好きになったら1度だけでも現場に行く、というのはそれからずっと心に決めている。もっと行けば良かった、と思うことは今でもあるけど、あのとき行っておいて良かった、とも思えるようになったから救われている。

 

ついこの間、同じようなことがあった。違うのは、その彼は7年前に病気になってそれからずっと闘病生活を送っていた、ということだ。だからいつかこんな日が来ることをわかっていたし、最近は薄々気付いていた。結果的に最後になってしまったライブで1曲しか唄えなかったことや、SNSの更新が止まっていたこと。でもやっぱり意味はわからなかった。

私が最後に彼が唄っているのを観たのは7年前の、彼が病気になる前だ。だから術後の影響でギターを弾けなくなって杖を突きながら唄う彼を知らない。私の中では彼はずっとギターボーカルだ。

7年の間になんでライブに行かなかったか、というのは多分ギターを弾けなくなった彼を観たくなかったからかな、と思う。でも今はやっぱり1回くらい行けば良かったと思っている。元気なころの彼をたくさん観たから後悔はしていないけど。

最近聴いてなかったな、と思って彼がいなくなってから久しぶりに彼の作った曲を聴いた。暗い曲ばっかりだけど、10代後半の私はこの曲たちに助けられていたなあと思い出して切なくなった。1番好きだったのは雨の曲だった。

 

引退も解散も悲しいけど、2度と会えないのが1番悲しいからみんな元気で生きていて欲しい。生きていてくれたらまた会えるかもしれないから。